本研究の概要
地方自治体に働く保健師は、個別支援⇒地区活動⇒事業化という保健師活動を展開しています。しかし、これらが適切に行われているかを評価するためのツールは見当たりません。また、国は平成25年の「地域における保健師の保健活動に関する指針」で、保健師活動を組織横断的に総合調整及び推進し、指導する統括的な役割を担う保健師の配置の必要性を示しました。しかし、統括保健師は、部下の保健師活動の実態や「自治体保健師の標準的なキャリアラダー」の評価結果を即時共有するためのツールを十分に持ち合わせていないため、人材育成にこれらのデータを活用することが難しいという現状があります。国が3年毎に調査している保健師活動領域調査データについても、日頃の保健師活動と連動させて実践の改善に活用している自治体とそうでない自治体に二極化しており、差が生じています。
本研究はこれらの課題を同時並行的に解決するため、保健師活動の評価指標及びアルゴリズムの信頼性・妥当性の検証を行う事を目的としています。令和4年度に実施した全国調査の結果を踏まえ、令和5年度にKintone(サイボウズ株式会社)を用いて試作版の保健師活動記録システムを用いたパイロット調査を実施し、令和6年度に対象地域を拡大して同システムの実証研究を実施しました。本研究により保健師活動に関する暗黙知の可視化と標準化を進め、住民のQOL向上・健康寿命の延伸・健康格差の縮小に資する効率的・効果的な保健師活動の展開及び保健師の人材育成推進を目指します。
このWEBページでは本研究を通じて作成・開発された保健師活動記録システムに関する資料を公開します。
本研究で開発した保健師活動記録システムについて
一般向け資料
- 保健師活動記録システムの目的・概要図 (PDF)
- 保健師活動記録システム入力マニュアル (PDF)
- ダッシュボード閲覧マニュアル (PDF)
Kintone導入担当者向け資料・ファイル
研究成果の普及状況を評価する必要があるため、Kintone導入担当者向け資料(「保健師活動記録システム」導入マニュアル、Kintoneアプリテンプレート・設定ファイル)のダウンロードは登録制としております。下記のGoogleフォームにご記入いただき「送信」ボタンを押していただくと、ダウロード用ページのリンクが表示されます。
本研究の成果出版物
人材育成への活用マニュアル(作成中)
研究報告書
本研究の報告書は厚生労働科学成果データベースに登録されています。
- 2022年度報告書 https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/166018
- 2023年度報告書 https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/171845
論文リスト
- Yoshioka-Maeda, K., Matsumoto, H., Honda, C., Taira, K., Hosoya, N., Sato, M., Iwasaki-Motegi, R., Sumikawa, Y., Fujii, H., Miura, T., & Shiomi, M. (2025). Development of the Essential Individual Care Needs Assessment Tool for Public Health Nurses. Public Health Nursing. https://doi.org/10.1111/phn.13545
- Yoshioka-Maeda, K., Matsumoto, H., Honda, C., Shiomi, M., Taira, K., Hosoya, N., Sato, M., Sumikawa, Y., Fujii, H., & Miura, T. (2023年). New Web-Based System for Recording Public Health Nursing Practices and Determining Best Practices: Protocol of an Exploratory Sequential Design. JMIR Research Protocols, 12(1), e45342. https://doi.org/10.2196/45342
UMIN-CTR 臨床試験登録情報
https://center6.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr_view.cgi?recptno=R000056222
- この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施しました。
- この研究に関する費用は、厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「ICTを用いた保健師活動アルゴリズム及び評価手法の開発と統括保健師による人材育成への活用」(研究代表者:吉岡京子)と東京大学大学院医学系研究科地域看護学・公衆衛生看護学教室の運営交付金から支出されています。
- 本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。