東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 地域看護学・公衆衛生看護学分野

東京大学医学部 地域看護学教室

Graduate School of Medicine, The University of Tokyo

Department of Community Health Nursing/Public Health Nursing

【市区町村母子保健担当部署様向け】虐待予防活動を担う保健師の皆様へのアンケート調査ご協力のお願い

「保健師が児童虐待リスクのある保護者に抱く陰性感情と援助関係構築に与える影響、および緩衝要因の検討:横断研究」にご参加いただく市区町村母子保健担当部署様向けの研究説明書です。

研究説明文書(PDF)


市区町村母子保健担当部署 管理職様

令和6年6月12日

東京大学大学院医学系研究科

健康科学・看護学専攻

准教授 吉岡京子

大学院生 横堀花佳

研究課題「保健師が児童虐待リスクのある保護者に抱く陰性感情と援助関係構築に与える影響、および緩衝要因の検討:横断研究」へのご参加のお願い

時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。突然に連絡を差し上げる失礼をお許しください。

保健師は、虐待予防のために日夜努力していますが、支援を拒否されたり、心無い言葉をかけられるような辛い経験による精神的な負担から、対象者に否定的な感情を抱くことがあります(以下、陰性感情とします)。これらが重なると、支援に困難を感じ、ケアの質の低下や保健師自身の休職・離職に至ることもあるため、教育・支援体制の構築が急がれます。特に経験の浅い若手保健師の方のサポートを考える上で、陰性感情が支援活動にもたらす影響を把握することが大切と考え、この調査を企画いたしました。

研究対象は、特定妊婦、要支援児童・要保護児童とその保護者・家族に支援を行っている全保健師です。管理職の皆様には、お忙しいところ恐縮ですが、対象となる方に同封の質問紙を配布頂きたく存じます。特定の価値判断を求めるものではありませんので、保健師の皆様の率直なお考えを頂きたく存じます。また、回答が負担に感じた場合は回答を中断して頂いて構いません。本研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け実施しております。個人情報の保護や調査参加の任意性など、十分な倫理的配慮をいたします。

ご多忙中のところ誠に恐縮ではございますが、本調査の趣旨にご理解を賜り、ご協力いただけますよう、何卒ご高配をお願い申し上げます。ご不明な点やご質問がございましたら、遠慮なく連絡先にお問い合わせください。末筆ながら皆様のご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。

敬具

1.この研究の概要

【研究課題】

保健師が児童虐待リスクのある保護者に抱く陰性感情と援助関係構築に与える影響、および緩衝要因の検討:横断研究(審査番号2023281NI-(1))

【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。

研究機関 東京大学大学院医学系研究科・健康科学・看護学専攻 地域看護学・公衆衛生看護学分野

研究責任者 吉岡京子 准教授

担当業務 研究全体の指導、助言

【研究期間】

  承認日~2026年3月31日(調査期間は2023年承認日~2024年10月31日)

【研究目的・意義】

年々増加する児童虐待相談件数に対して、市区町村の保健師が児童虐待高リスク群の保護者に対して行う支援は非常に重要です。しかし、支援を拒否されるなどの否定的な態度が重なることで、保健師は陰性感情を抱くことがあります。これらが重なると、支援の質低下や保健師の休職・離職をもたらす可能性が指摘されています。そこで、保健師の陰性感情が支援活動にもたらす影響と、保健師への支援体制を明らかにするために、保健師の方に質問紙へのご回答をお願いしたいと考えております。

【研究方法】

(1) 調査対象施設

 市区町村の母子保健担当部署

(2) 研究の対象となる方 以下の項目をすべて満たしている方が対象となります。

 1) 市区町村に所属する常勤の保健師。

 2) 要保護児童・要支援児童および保護者、特定妊婦とその家族に支援を1年以上行っている保健師
(6か月以内に部署移動をした保健師も含む)。

 3) 現病歴に精神疾患がない(回答へのご負担を考慮して設定しています。回答が負担に感じた場合は回答を中断して頂いて構いません)。

(3) お願いしたいこと

 対象となる保健師の方全員に同封のクリアファイル(研究説明書、質問紙、返送用封筒を含む)をお渡しください。該当する部署が複数ある場合は恐れ入りますが該当部署への配布をお願いいたします。対象となる保健師の方に、研究は自由意思による参加であることをお伝えください。

(4) 倫理的配慮

1) 研究対象者の権利を守るため、調査への参加は自由意思であり、調査にご協力いただけない場合にも不利益が生じることはありません。

2) 回答いただいた質問紙は、研究者へ返送頂きます。回収した質問紙は、研究者の管理下にある場所に厳重に保管し、研究終了後 5 年間の保存の後、裁断処理をして処分させて頂きます。

2.研究参加の任意性

 この研究にご参加いただくかどうかは、研究対象者の自由意思に委ねられています。

ただし、本研究は対象者様の氏名等を収集しないため、個人情報の特定が困難であることから、同意の撤回をすることができませんのでご了承ください。

3.個人情報の保護

 この研究に関わって取得される基本情報等については、分析の際に必要な ID を割り付け、研究者により施設と ID の対応表を作成させて頂きます。皆様の施設名や個人情報と、質問紙の内容を合わせて分析することはありません。対応表、収集した情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう鍵のかかるロッカー、研究者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。

4.研究に関する情報の公開および研究により得られた結果等の取扱い

 研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌等で公表します。国内外の学術雑誌での公開にあたっては、研究成果の第三者による検証や複数の研究の結果を統合して統計的に検討する際の原資料となることもあるために、解析・論文作成に用いた資料を学術雑誌社・学会(誌)へ提供・公開すること、また保管されることがあります。

個人的なお問い合わせをいただいた場合でも個人情報を取得しない調査であるため、個別の研究結果についてはお伝えすることができません。下記のお問い合わせ先に連絡いただければ、全体の研究結果についてはお伝えいたします。研究の実施に先立ち国立大学附属病院長会議が設置している公開データベース(umin)など名称を明記)に登録をし、研究終了後は成績を公表いたします。

UMINのホームページ(URL):https://www.umin.ac.jp/ctr/index-j.htm

5.研究対象者にもたらされる利益及び不利益

 この研究が、あなたに直ちに有益な情報をもたらす可能性は高いとはいえません。しかし、この研究の成果は、今後の保健師に対する教育体制に寄与することが期待されます。したがって、将来、あなたに保健師の支援の質向上の面で利益をもたらす可能性があると考えられます。また、本研究に参加しないことで不利益となることはありません。

6.研究終了後の情報等の取り扱い方針

 取得した情報等は、原則としてこの研究のためにのみ使用します。研究期間終了5年後、取得した情報等は、情報においては紙で保存されている場合はシュレッダー処理、電子データで保存されている場合はデータの削除することで廃棄します。

これらの情報等は保管期間中に、この研究以外の研究に使用される可能性もあります。その場合には改めて倫理委員会の承認を受け、情報を公開して研究の実施をお知らせします。

7.あなたの費用負担

 今回の研究に必要な費用について、あなたに負担を求めることはありません。なお、あなたへの謝礼はございません。

8.研究から生じる知的財産権の帰属

 本研究の結果として知的財産権等が発生する可能性はなく、研究によって得られる経済的利益はないものと考えられます。

9.その他

 この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施するものです。なお、この研究に関する費用は、公益信託山路ふみ子専門看護教育研究助成基金から支出されています。本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。

研究の開始後、研究の方法等について変更が行われ、変更の内容によってはあなたが研究への参加を取りやめるという判断をされることも考えられます。本説明資料、同意文書、研究内容の変更に関する情報については、下記連絡先に記載の研究室ホームページ等で、お知らせする場合がございます。

この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。

令和6年6月12日

【連絡・お問合せ先】

研究責任者:吉岡京子 

連絡担当者:横堀花佳

連絡担当者メールアドレス:yharuka-tky@g.ecc.u-tokyo.ac.jp

〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1

東京大学大学院医学系研究科 健康科学・看護学専攻 地域看護学・公衆衛生看護学分野

Tel: 03-5841-3597 Fax: 03-5802-2043